2012年8月31日金曜日

ネットニュースは読まざるを得ない

スマホが普及し、タブレットが流通してからだいぶ経ちました。 新聞の記事がそのまま読める公式サイトとか公式アプリとかが増えてますよね。

それに応じて紙新聞の信者のお話をあまり聞かなくなりました。 そもそも紙新聞の信者ってのは新聞社と仲がいい人達です。 新聞社がネットを敵視しているときはそれに迎合してネット上のニュースサイトを叩き、紙の方がいいと騒いでいました。 しかし、新聞社が「紙だけじゃダメだ、ネットでも集客しなければ」と方向転換するとそういう騒ぎができなくなります。 お友達の商売を邪魔することになりますからね。

まぁそんなこんなで、ずいぶん前からネットで紙と同じ新聞記事を読めるようになっています。 が、それだけ読んでいてはダメです。 ネットニュースは読まざるを得ません。

これは「読むニュースは偏っちゃダメだ」みたいなお話ではありません。 ITセキュリティのお話です。

新聞社が出しているネット新聞の記事は紙と同じ内容が中心になっています。 紙の新聞に載っているITセキュリティに関する記事は、

  • どこそこのサーバに不正侵入があって書き換えられた。
  • どこそこの顧客名簿が何百万件もれた。
  • IT関係でプライバシー問題や表現の自由に関わりそうな裁判があった。

など、すでに大きな被害が発生した物事が中心です。 プライバシー問題や表現の自由に関わりそうな法律ネタの記事は、法解釈や法改正、新法に関わるものですね。

どちらにしても、防犯に関わるような記事は載らないんですよ。 「Java7のゼロデイ脆弱性」についての記事なんて紙媒体には載りません。 そんなのコンピュータを持っていないお爺ちゃんの紙新聞読者には関係ないですからね。 紙の新聞と同じ記事を載せる公式ネット新聞にも、当然そういうセキュリティ関係の記事は載りません。

本来はオレオレ詐欺の対処法を載せるようにITセキュリティの記事も載せるべきだと思うんですよ。 少なくとも公式サイトの接続に使われるコンピュータ(携帯、スマホ、PC)の何割かをカバーできるような記事はあった方が良いかと。

ですが、今とのころ新聞社が運営する新聞サイトでそういうのは見たことがありません。 無いなら自分で探さなければ。 どういうサイトにそういう記事があるかというと、旧来からあるマスメディアの運営するサイトではなく、インターネットが普及してから立ち上がったネットニュースサイトです。 「ウィンドウズの定例アップデート」とか「セキュリティホール」とかって単語がたまに見出し一覧に載るようなネットニュースサイトを見つけておいて新聞を読むのと同じ頻度で目を通すようにしましょう。

そういうニュースサイトってちょっとIT系に偏っていてよく分からないかもしれませんが、分からなくても目は通さないとダメです。 読んでたらそのうちなんとなく分かるようになります。 読まなかったら、知らぬ間にIT犯罪の片棒を担いだり、自分が個人情報流出のセキュリティホールになったりしてしまうかもしれません。 そうなってしまったら「ベンダーの責任だ」とかって騒いでも無駄。 誰かが責任を取らなければならなくなったら、セキュリティに不備があった人が責任を取ることになります。

と言うわけで、新聞社のネット新聞を読んでいるとしてもそうでなくてもネットニュースは読んでおきましょう。