2013年3月19日火曜日

NHKの「学問のすゝめ」の書き出しの説明が雑だった

ちょっと前の話ですが、深夜、寝る前にテレビをつけてザッピングしているとNHKで福沢諭吉を題材にした番組をやっていました。 有名な書き出し「天ハ人ノ上ニ人ヲ造ラズ人ノ下ニ人ヲ造ラズト云ヘリ」について「人は生まれながらに平等だという意味です」などと説明していました。

コレってネットでたまに見るネタですよね? ネットで見るのは、

  • 「人は生まれながらに平等などと言われているが、しかし...」と後に続く言葉があり、後に続く言葉(学が人生を決める)の方が福沢諭吉が言いたかった本筋である。平等って部分だけを引用するヤツは何が重要か知らずに引用するバカ。

っていうのがお決まりかな?

そういうのを思い出して「NHKがそんな適当な説明していいの?」とか「まぁ後で補足が入るでしょう」とか考えました。 で、チラッと見ただけで続きは確認せず、眠かったのですぐ寝てしまいました。

後で思い返してみると、確認しないで「NHKバカダナァ」で済ませたら、自分もネットの文を鵜呑みにするだけのバカですよね。 まぁバカにして回らなければフリーライドバカになる事もないでしょうけど、黙ってたら賢くなれるって事もありません。 書き出しのちょっとを調べるだけなら一手間なんで、調べてみましょう。

まずは「学問のすゝめ」の書き出しについて調べてみましょう。 wikipediaの「学問のすゝめ」項目を見ると、

  • 「云ヘリ」は現代における「云われている」という意味で、この一文のみで完結しているわけではない。
  • この言葉は福沢諭吉の言葉ではなく、アメリカ合衆国の独立宣言からの引用である。
  • 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言われている__人は生まれながら貴賎上下の差別ない。けれども今広くこの人間世界を見渡すと、賢い人愚かな人貧乏な人金持ちの人身分の高い人低い人とある。その違いは何だろう?。それは甚だ明らかだ。賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由ってできるものなのだ。人は生まれながらにして貴賎上下の別はないけれどただ学問を勤めて物事をよく知るものは貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるのだ。」

と書いてあります。

元ネタの方も見てみましょう。 「学問のすゝめ」は古い本なので著作権切れです。 青空文庫で無料で見る事ができます。

読んでみると、

  • 1段落目『「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。~(略)~』
  • 2段落目『~(略)~ されば前にも言えるとおり、人は生まれながらにして貴賤・貧富の別なし。ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり。』
  • 3段落目 ... 読むの面倒
  • 4段落目 ... もう無理

気を取り直して、つまり、1段落目で「平等って言われてるけど実際そうじゃないよね。どういうこと?」と疑問を提起して、2段落目で「やっぱり生まれたときは平等なんだよ。学で後の人生の貴賤・貧富が決まるんだ。」と自己解決してるんですね。

「天ハ人ノ上ニ(略)」を「人は生まれながらに平等だという意味です」と説明するのは、「云ヘリ」の部分を補完すれば正解っと。 福沢諭吉が言いたかった本筋は「学で貴賤・貧富が決まる」ってところはネットのネタの通りですね。 それが分かっていたら「天ハ人ノ上ニ(略)」の部分だけ取り出すのは避けるはずですが...?

そのへんをNHKがどう言っていたのか確認してみましょう。 どうやらあの時見たのは「見える歴史」という番組のようです。 NHKは教育番組やニュースなど、一部の放送内容を無料でネットでも見れるようにしています。 いつまで見れるかは不明ですが、現時点ではネットで視聴可能。

まぁ、マジメに見るのが面倒だったので他の作業しながら音だけ聞いたんですが、「福沢諭吉は平等を広めた偉い人」って連呼してました。 NHK、ダメでした。